夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ
2015/10/07 20:31
芸術の秋。
フランス絵画の展覧会を見に行ってきました。
モネ、ルノワール、シスレー、セザンヌ、ルオー、シャガール、モディリアーニ、ユトリロにローランサンと錚々たる顔ぶれだったのですが、絵の方はどれもいまひとつでした。もう少しいい作品が来ているかと思ったのですが。
かわりに、ヴラマンクという知らない画家の作品がとても良かったです。寒く、感傷的で、不安が垂れ込めた町や村の風景画が琴線に触れました。厳しい冬に耐え忍ぶ人々が身を寄せ合って住んでいるであろう家々と、重たくやっかいな雪が太いタッチで描かれていました。
そして、藤田嗣治が一番素敵でした。
「人魚」
そして、藤田嗣治が一番素敵でした。
「人魚」
顔立ちは男性のようでこけているのに、尾はたっぷりと肉感に溢れて、鱗が緻密に描かれており、泳いでいるのはナマズや鯉の川魚。
気に入ったのに、ポストカードが売っていなかったのが残念です。
美術館の後は、ドイツ料理屋さんへ食事に行きました。
お気に入りの小説、江國香織の「流しのしたの骨」にドイツレストランの描写が出てきます。
"素朴なドイツ料理を食べさせる店で、「お誕生日おめでとう」私たちは口々に言い、豆のスープや子牛の肉や、ソーセージやきゃべつやおいしいパンを食べた。"という、暖かく安全な灯りに包まれているようなその描写を読んで、いつかドイツ料理を食べてみたいと思っていました。
"素朴なドイツ料理を食べさせる店で、「お誕生日おめでとう」私たちは口々に言い、豆のスープや子牛の肉や、ソーセージやきゃべつやおいしいパンを食べた。"という、暖かく安全な灯りに包まれているようなその描写を読んで、いつかドイツ料理を食べてみたいと思っていました。
最初のスープがとてもおいしかったのです。コーンとジャガイモのポタージュに、生クリームでも入れてあるのかなと最初は思いました。
次のサラダも手作りのドレッシングで、ぽってりとのった名前のわからないクリームがまたおいしくて。メインはソーセージと鶏のビール煮込みをそれぞれとりました。ぷりぷりの絶品ソーセージに、香ばしいプレッツェル。デザートのクリームブリュレにコーヒーまで完璧。これはいいお店を見つけてしまったかも。